11月19日(土)に12回目のマンション大規模修繕セミナーを福岡で開催しました。
(会場:福岡県中小企業振興センター)
○工事費高騰で修繕積立金が足りない!あなたならどうしますか?
東京オリンピックに向けた建設需要の高まりで資材費などが高騰し、計画通り積立を行なっていても、大規模修繕工事で資金不足に陥る例が増えています。「健全なマンションを維持する重要性は分かるけれど、その資金がない。」このような矛盾を抱えながら、管理組合の多くは運営されています。
今回ご紹介させていただいた管理組合も同様の問題を抱えていました。築29年、123戸のマンション。予定していた工事費が1.5倍になり、一時金徴収の実施が必要となりました。
「抱えている問題を整理して、組合員に伝え、組合員がどのように考えているかを聞いてみよう!」まずは組合員に向けたアンケートを実施することになりました。
平均して29.7万円の回答。しかし…
アンケートで、一時金として拠出できる金額を組合員にヒアリングしたところ、平均して29.7万円の回答がありました。これには理事・修繕委員は驚きました。「皆、マンションのことを考えてくれている…」しかし、回答率は30%。残りの70%の組合員は一時金徴収に反対かもしれません。ここから説明会・意見交換会を通じた合意形成活動が本格的にスタートしました。
今回のセミナーでは、工事費が1.5倍に値上がりした状況の中で、「一時金徴収30万円」「修繕積立金48%値上げ」を実施し、大規模修繕工事と耐震改修工事を実現させた、ある管理組合の合意形成プロセスをご紹介させていただきました。
今後も地域に根ざしたきめ細かい活動を行ってまいります。
○最新の材料や工法、適正工事で12年→15年周期へ
私たちは、建物維持保全に関わる企業向けに知識の技術・意識の向上と標準化を行い、設計・施工の品質を可視化することで、修繕周期を15年に延ばし得る大規模修繕の新たな仕組みを「修繕周期15年システム」として確立しました。
主な仕組みは以下の3つです。
①品質基準
調査診断からアフターフォローに至るまでの業務を見直し、業務マニュアルを作成。業務を遂行するための知識・技術・マインドの基準をまとめ、職人への意思統一を図るために着工前研修も実施
②技術者養成
業務マニュアルを基に知識・技術・マインドの向上を目的とした研修を開催し、技術者の養成。認定者にはフォローアップ研修を実施し、継続的なレベルアップ向上を図る
③検査システム
第三者である認定技術者による厳格な二重チェック検査を行い、高い工事品質を確保する仕組みを大規模修繕に導入
まだ、修繕周期15年システムを活用した大規模修繕はスタートしたばかりですが、セミナーの反響は大きく、すでに何組かの管理組合様に使用いただき始めています。今後も管理組合の皆様に役立つ情報提供及びサポートを行ってまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
追伸:
修繕周期15年システムについての詳しい情報はこちらからご覧いただけます。
http://www.renovaters.net/