

大規模修繕を実施するにあたり、長期修繕計画を見直したら修繕積立金の値上げ・借入が必要なことが分かりました。マンションの世帯主の47.2%が70歳以上と言われている中で、値上げ・借入となれば借金をしてまで直さなくてもいいと考えてしまうのは自然なことです。また、組合員・居住者の立場や考え方も様々です。「賃貸に出しているから関係ない」「1階に住んでいるから手すりの費用を払いたくない」「引っ越す予定だからお金をかけたくない」「高齢だから建物がボロボロでもいい」工事に前向きになれない事情があります。
しかしながら、マンションは組合員一人ひとりの財産です。維持管理し資産価値を高め、安全・安心な生活を育める環境を保つことが必要です。そのためには大規模修繕は欠かせません。と理屈は分かっても「なるほど…大規模修繕はやらないといけないことなんだね」とはなりません。そこで今回の大規模修繕オンラインセミナーでは、様々な立場や考え方を持つ組合員が理解・納得して大規模修繕を進められるように、各工事の役割と設計・工事監理の工夫を解説します。
大規模修繕を進めるためには多くのことを検討しなければなりません。実施時期、方式の決定、工事予算の確保、長期修繕計画の見直し、業者の選定など、理事会だけですべてを兼務するには荷が重すぎます。本誌では、大規模修繕を円滑に進めるために大規模修繕の重要性をお伝えしながら、修繕委員会の役割、設立方法から、修繕委員会・理事会で検討しなければならない事項を整理し、総会で大規模修繕実施を決議するまでの準備内容をスケジュールとともにまとめました。
※セミナー後のアンケートにご協力下さった方が対象です。
一般社団法人マンション大規模修繕協議会 副代表理事
建築コスト管理士、建築積算士
建築の技術者として長年、建物に携わる仕事をし、30年マンションに住み続けている。理事、修繕委員、漏水対策委員など歴任し、外からも内からも組合員のリアルな目線で諸問題解決に取り組んでいる。